ちゃんとコメディとしておもしろい箇所がありながら、伝えたいことが伝わってくる良い劇だと言うのが感想。
もともとは違う用事も済ませてから行こうと思ったが、忘れ物があり別日に変更。なんのための午後半休かと思いながら大崎図書館で暇を潰すことに。『孫文と陳独秀』は面白かったので続きを読もう。
六行会ホールについてからも受付を間違えるわホールの入口わかんないわでうまく行かないことが重なった1日だった。
朗読劇を除くと観劇自体は3年ぶり。そこそこ値がはるから気軽に行くのは難しい。
会話劇というやつでコメディと言って差し支えないはず。
父の再婚相手の顔合わせ。しかし父の口からゲイと衝撃のカミングアウトが.......!思い込みの強い長男との接触を避けるためについたウソがさらなる勘違いを生み.....!といった勘違いドタバタ劇だった。
まず脚本がすごくて、登場人物たちによる勘違いが勘違いを呼び理解が難しくなりそうなところスムーズに頭に入ってくる。
観客が勘違いしてしまうと面白さが何も伝わらないのでそこを理解させてくるのは脚本や演出、演者さんの力あってだなと。
息子や娘がどんどんウソを重ねていき苦しくなって行くところは、却ってどこまでウソをつき続けるんだろうかとワクワクしてしまった。
ふつうに考えたらウソなんてつかないほうがいいんだけど、
(やり過ごすためにウソつかなきゃ.......!)という空気感を演者さんたちが醸し出してたので、たしかに自分でもそこはウソついちゃうよな〜と振り返ると納得。
物語の展開は王道で、ハッピーエンドで終わる。父親の勇気からなんだかよそよそしかった家族みんなが本音を言えるようになったよ!って感じ。
なるほどと思ったのが、別に本音で語り合ったからと言ってすぐに問題が解決するわけではないんだよね。
最後次男のフィアンセが言っていた「困ったことも気持ちを共有していくのが家族でしょ!」っていうのがこの劇のいちばん言いたいことなんかなと。
あっちゃんの演じた朋美は気遣いができるおせっかいなお姉ちゃんって印象がありつつも、相次ぐ勘違いにパニックになっていくというのが自然に演じられていた。半分あっちゃんそのままだった気も。いい意味で。そういうのがハマリ役と称されると思ってるので。カミングアウト直後の「朋美がいちばん落ち着いてるの!」が好き。
終わったあとに今日だけアフタートークがあったらしくお得。演じた人の素が見られるのもこれはこれで楽しい。
諸々あったけど、振り返ると充実した1日だった......!となったので劇もいいものだなと改めて実感。