この夢から出られない

「知らん人の書いてるよくわからないブログ」を目指します

小市民シリーズ 第6話 「シャルロットだけはぼくのもの」 感想

小話は1話だけで、夏季限定トロピカルパフェが始まった。

おそらくこの長編ラスト=アニメの区切りとなるはずなので、どう描いていくのか楽しみである。

 

全体

「原作では地の文で表現されている、小鳩君の内心を極力描かない」方針が生きていてよい回だった。良くも悪くもわかりやすくなっていたように思う。

 

内心

個人的には内心を描いてくれないとイマイチ小鳩くんの魅力が出てこないし、なぜそんなことを言ったのか?なぜそんなことをしたのか?が分からないと思っているのだが。

今回に関しては内心を出さなくても小鳩くんが何を考えているか映像から伝わってきたので良かった。むしろ、言葉で説明せずに動きと声優さんの演技で伝わったほうがアニメとして面白いので、そこはアニメ化する際の方針が活きているのだなと感じた。

 

推理のわかりやすさ

アニメでは小佐内さん邸訪問時にハンカチで汗を拭く姿、コトが終わった後ハンカチを使おうとして使えないことに気づき、ティッシュで汗を拭く姿。どちらも強調されていたので視聴者もヒントに気がつける表現になっている。

原作読んでるときは小佐内さんが指摘するまで何にもわからんかったからな……。たしかにちゃんと最初にハンカチで汗を拭いて、最後にティッシュで汗を拭く箇所もあるけど、地の文でさらっと書いてあるんだよね。なかなか気が付くのが難しい。みんな気が付けるのだろうか。

小さいヒントから答えを見つけるのが楽しいんだよ~っていう人もいるかもしれないが、答えがわかった方が見て面白いかもしれないし。この話の本題は「小佐内さんVS小鳩くん」の対決を楽しむものなのだからよいのだろう。

 

画面

今回は小鳩くんと小佐内さんの表情がコロコロ変わってよく動いていたと思う。

小佐内さんの下駄キックはカメラをパンして直接描写無し。アニメだと小佐内さんを「かわいい小動物系ヒロイン」として売り出しているので、暴力はNGだったのだろうか。

小佐内スイーツセレクション夏のところは良かった。地図とリストについて、記載の細かさや女の子らしさが小佐内さんが書いたのだと思える。

疑問に思うのは突然登場人物を空間転移させるところだな。1話から急に空想で場所移動するんだけど、何がしたいかわからないことが多い。たとえば登場人物の心情を表すためにファンタジーMAXな空間に飛ばされるとかならわかる。この作品の雰囲気にはそぐわないかもしれないが。空間転移も登場人物の心情を表すためにやっているのだろうが、川の真ん中に配置されたことをどう捉えればいいのかわからない。

小鳩くんに指摘した時の小佐内さんは静かに微笑んでいる。"極上のスイーツを食べたときか復讐の材料を見つけた時にしか見られない"小佐内さんの無邪気な笑顔が見たかったな……。やっぱり「かわいい小動物系ヒロイン」であるアニメの小佐内さんに、原作を読んだときに感じた恐怖を重ねること自体無理があるのかもしれない。*1

 

互恵関係

そういえばアニメだとほとんど使われない上記の言葉。アニメだと小鳩くんと小佐内さんって恋人にしか見えないな。だから、小佐内さんのスイーツ巡りに小鳩くんが付き合うことがべつにおかしいことだとは思えない。アニメ的にはそれでいいのかな。

*1:小佐内さんはとんでもない行動力を持った復讐の鬼だと自分の中に刷り込まれている。原作の地の文でひんぱんに言及されるし、実際に起こす行動も常識の範疇から外れていて執念深い。