Ⅱが名作だというは知っていた。その通りの内容であった。

OP画面
全体感想-ネタバレ無
ふっとい枝からふっとい幹へ
少しずつ真相がわかっていくわくわく感が良かった。
共通ルート→個別ルートへ各ヒロインを攻略していくことになる。ただ、各ヒロインの攻略中にうっすらと、ヒロイン内外で不思議なことが起こっていく。で、一部のヒロインだとその真相は明かされない。アレはいったいなんだったの……?となりつつ幹となるヒロインのシナリオで真相が明かされていき、、、って感じ。
じゃあそこに至るまでの、枝となるヒロインのシナリオは大したことないんだ?とはならないのが本作の良いところ。展開自体はけっこう王道な上で、きっちりヒロインと主人公の心の動きを表している。また、個別ルートでも他のヒロインが空気にならず活躍するルートもあり、そこも良いっすね。
幹となるヒロインのシナリオはめちゃくちゃ感情移入して読めた。裏返せば、感情移入するようなシリアスな展開が多い。シリアス展開が好きな人に特におすすめ。
比べるのはあんまりよくないかもだが、初代D.C.よりいろんな面でパワーアップしている。Retuneなどで初代をやった人は是非。
グラフィック
初代D.C.と原画が変わっている影響で、一部キャラのグラフィックは初代と違う雰囲気になっている。ゲーム始めて最初に関わるクラスメイト達は特に影響が大きい。最初はこのグラフィック好きになれるかな?って不安に思ったが、プレイしていくうちに慣れていった。
さらに安心材料として、初代キャラとの血縁が明確になっている音姫と由夢、そして初代にも出ていたさくらはちゃんと初代の作風に寄せたデザインになっている。これはうれしかった。
2000年代後半のゲームなので、どうしても今と劣る部分はある。でも、個人的にヒロインはかわいく描けていると思う。音姫や由夢のCGはどれも良い。
こっからはネタバレ有。
全体感想-ネタバレ有
大満足
最近は年に数本しかこうしたゲームはやれていないけど、特に朝倉姉妹→da capo→alfineをプレイしている時は時間を忘れて熱中した。仕事がある日の朝も晩もプレイしてたもんな。
初代から「桜の樹の魔法」って存在を引き継ぎつつ、魔法の存在感が増していたように思える。初代は若干「桜の樹の魔法ってふんわりしているなあ」って思っていた。ま~、今作でもけっこうふわっとしていることに変わりはないんだけど、どうして桜の樹を復活させたのかの理由付けや、桜の樹が枯れてしまうとどうなってしまうのかなど影響がはっきりしていた印象。
ネタバレ無で個別シナリオ良かったよ~!って書いたけど、いちばん良かったのは音姫と由夢のシナリオだよねやっぱ。詳細は下に譲るけど、主人公の義之やヒロインの音姫、由夢、そしてさくらの葛藤と決断がプレイ中ダイレクトに伝わってきた。
ヒロイン多すぎ
ヒロインは隠しヒロインまで含めて総勢14人。*1多すぎる!自分は10人しかプレイしなかった。基本的にはこういうゲームは全ヒロイン攻略しようとしているが、残り4人断念してしまった。
委員長やまゆき先輩はもともとサブキャラで、プラスコミュニケーションでヒロインに昇格したクチ。"サブキャラ感"がすごい。この子とのシナリオみたいな~って気持ちにならなかった。同じような境遇の茜シナリオもやったけど、やっぱりそんなに面白くなかったし。隠しヒロインも顔は見たけど、特に興味を惹かれなかった。
サブキャラではなく、完全新規キャラのシナリオの方が良かった傾向にある。特にアイシアが幸せになれたのはうれしかった。あ、でもエリカのシナリオは流石にちょっと……。
元々のメインヒロインである小恋、ななか、美夏、杏、音姫、由夢をプレイすれば「D.C.Ⅱ遊んだ!」って言えるかな。
個別
ヒロインごと、プレイした順に並べる。ここに名前のないヒロインは攻略していない。
本当は展開やセリフなどをメモしたりしていたのだが、そのテキストファイルは計4万字もある。流石にそれをそのまま書くわけにもいかない。また、シナリオの内容は思い切って省略することにした。最初の頃は書いていたんだけど、長くなりすぎる。
オリジナルヒロイン
小恋
幼馴染かつクラスメイト。最初っから義之のことが好き。他のヒロインと義之がくっつくシナリオでは、小恋が諦めきるまでに時間がかかることも。かなり王道よりの幼馴染キャラクター。
前半は両想いの2人がいつ告白するのだ~!みたいなほのぼのした展開だった。しかし、後半は空気が一変してドロドロ展開へ。空気が重くて正直嫌だった。
義之は小恋の親友であるななかからの告白を一度はフっておいて、2度目の告白に頷いてしまうという最悪のムーブをかます。本当は小恋が好きなのにだよ?
いちおう義之を擁護するとすれば、小恋が義之を避けて渡ると一緒に行動するようになったことによるショックや、ななかをケガさせる原因を作ってしまった罪悪感があった。だけども、ねえ?最初にプレイしたことも相まって、今回の主人公は大丈夫か?と思ってしまった。*2
もちろん最後は両想いの小恋を選んで、ななかを振る。ななかが悪いわけではないから、本当に申し訳ない気持ちになった。前半だけならかなり評価は高いのだが、なんでこんな重い空気なるんだ……って気持ちなってしまった。
50点。前半は好きです。
ななか
スキンシップによって人の心が読める女の子。スキンシップ多めで男子からは勘違いされ、女子からは妬まれる。登場人物として先述の小恋シナリオを引き継いでいるので、こっちもなかなかドロドロした展開。
物語はバンド仲間の4人と、入院しているゆずちゃんとの交流の2本立て。小恋や男友達の渉とは、義之が2人の気持ちをわかってあげられずに衝突。ゆずちゃんとは、ななかがテレパシーでゆずちゃんの心を読み、「手術が怖いだけなのに表面上は家族のことを思った発言をしている」というウソを暴いてしまい喧嘩。鈍感であるがゆえに小恋や渉と分かり合えない義之とテレパシーでわかってしまうためゆずちゃんと喧嘩してしまうななか。独立しているように見える問題の対比が美しすぎる!とプレイ中はしゃいでいた。
ななかはテレパシーにすべてを頼ってきたがゆえに、ちゃんと人と気持ちを交わすことから逃げてきていた。この問題を解消して小恋に正直に話す。義之も渉と気持ちのぶつけあいをして、最後はバンド演奏を成功させるという最高の和解の仕方をして終わり。「心なんか読めなくったって、人の気持ちはわかるんだよ」ってセリフがめちゃくちゃよかった。
初代のことりルートをより充実させた印象。ことりルートでは、テレパシーは失ったが、そこから踏み出そう!という話で終わった。今回のななかルートは一歩踏み込み、テレパシーに頼ったことによって他人の気持ちがわからないことの弊害、その克服を描いた。気持ちは伝えあうことでしか伝わらないというテーマが一貫していて、すばらしい話だった。
90点。
杏
クラスメイトの毒舌少女。雪村流暗記術を駆使し、どんなことも覚えていられる。
杏の話は桜の樹の魔法や義之の秘密が関わって来るかなり重厚なシナリオなんだけど、なんだけどなあ……。
杏が1度見聞きしたことを忘れられないのもつらい、でも魔法が解けて義之のことをわからなくなるのもつらい。そんな儚げな雰囲気はめっちゃよかった。
しかし、ラストはご都合主義にもほどがあった。杏の楽しかった思い出、桜が枯れてからの苦しみを知った義之は杏のもとから離れる決心をする。記憶を失った杏と1日過ごし、プレゼントを渡し、永遠の別れ……と思ったら急に杏が義之のことを思いだして終わり。「わかんないけど、なんかえっちしてたら思い出したの」とかいう最悪なセリフもあるぞ。
40点。最初の方の儚い雰囲気は好きだったのだが。
美夏
天枷なのでロボット。人とバナナが嫌い。すべてのロボットに感情はあると断ずる口調など、こだわりは多そう。
人によるロボット差別と美夏の中の人間への憎しみ。それらを乗り越えて、人とロボットの懸け橋になる!というシナリオ。筋が通っていて良かった。ただ、ロボット差別シーンとそこからの手のひら返しが露骨すぎてそこは胸糞だった。*3
ロボットとバレた美夏は学校に居られなくなる。美夏と学校の思い出を振り返り、最後に訪れた体育館で美夏の卒業式。卒業式で盛大に送り出される。EDが風見学園生みんなの歌う「仰げば尊し」なのも涙腺に来る演出だ。
85点。
音姫
しっかりものの生徒会長、でも義之には甘い姉。音姉については個別で記事を書いたのだった。
wuhujiang.hatenablog.com
当時から断トツの人気だったらしい。納得しかない。初登場シーンからすべてをかっさらって行くもんなあ。ほとんどのヒロインのシナリオが終わった後もまったく変わらず、音姉がいちばんだったと思っている。なんなら2周したし。
個別ルートだけの評価で97.5点。真ENDを含めれば100点。
由夢
「かったるい」が口癖の妹。姉と違って兄にはちょっとだけ反抗的。人前では猫を被っていることや、「兄さん」の呼び方など、音夢の血をかなり感じる。
プレイ前から由夢はけっこう謎だった。音姫は他のヒロインのルートでかなり不穏な行動を取る。だから、何か重大な秘密があることはルートに入る前からわかっていた。しかし、由夢は他ルートで何か目立った行動をすることはない。その代わり、由夢はどのルートでも必ず傍にいてくれる。心強い。
奥ゆかしいツンデレというのか?例えば義之に料理を食べてほしいってシーンでも、食わそうとしているんだか食ってほしくないんだかわからん態度を取り続ける。このめんどくささが"味"なんだよね。「や、別に意地っぱりじゃないです。わたしは、 今でも素直です」←いいね。
由夢の秘密は予知夢を見れること。夢見たことは必ず実現してしまう。義之がいなくなることを予知してしまった由夢は、義之になるべく親愛の情を抱かないようにふるまってきた。まあでも無理だよね?だって大好きなんだものということで付き合い始める。
しかし、予知されていた義之との別れはどんどん近づいていく。それでも義之と由夢は今を楽しむ。後悔したくないから。すぐそばに終わってしまう未来がありながら、学校のみんなに忘れられてしまうという現実がありながら、それでも幸せな日常を送ろうとする2人が健気で、辛すぎて、もうみてられないっすよ……。夢で見た別れのシーンが来てしまい、END。「だから …… さよならだね、兄さん」←音夢すぎるだろ!
96点。真ENDを含めれば97点。いや、音姫のシナリオも由夢のシナリオもこころ動かされ度でいえばぶっちゃけ100点なんだけど、やっぱ別れが悲しすぎて満点に出来ない。
da capo
さくら視点でのお話。明確にアイシアのことを指しているであろうことを言っているシーンもあり。まだその時はD.C.S.S.を見ている最中だったので、ちょっと待って!ってなった。あと、義之の立ち絵あり+しゃべる。お前そんな好青年みたいな声だったのか。
さくら視点で、共通ルートや音姫ルートで起きた事件の真相が明かされたのは良かった。母として、さくらが最後に「愛しているよ」と、告げずにはいられない言葉を放ったのも良い。ちょっとした家族の団らんシーンは、さくらの唯一心が温まる瞬間だったのだなあと考えると、今までのシーンが急に色づいて見える。
ただ、流石に最後はよくわからんかった。突然昔?のイギリス?に飛ばされて終わり。これさあ、明らかに続編を意識しているよね?
あとはやっぱり、さくらのわがままによって音姫をはじめ多くの人が傷つく結果になったってのはなあ。もちろん義之の存在がなければ、もっとみんなは不幸だったと考えればトントンとも取れるけど。
al fine①-由夢
3年生に進級した由夢の話。校門で待ってたら義之が来た。もちろん夢。でも、由夢がみた夢って将来必ずかなうってことで、義之が帰ってきて終わり。すごい短い!義之と再会した時の由夢の表情はすばらしい。
元の由夢シナリオに+1点で97点。
al fine②-音姫
悲しいモノローグから始まる。ベンチに座る音姉の姿!これは幼いころに打ち解けてくれた時の構図と一緒じゃん!天才が作っているゲーム。義之が帰ってきて、泣きながら笑っている表情も良い。この幸せな毎日が続く、毎日毎日昨日よりもっと音姉が好きになる日常が、みたいな感じで締め。
強いてケチをつけるなら、義之の復活までさくらの願いのちからか~とおもった。まあお母さんだしな。
みんなの純粋な願いがさくらに最後の願いをさせた、むしろみんなの純粋な願いがないと願いはかなわなかったともいえるか。そこまでケチのつける話でないですね。
元の音姫シナリオに+2.5点で100点。
プラスコミュニケーション追加ヒロイン
茜
元々は杏や小恋と仲の良いクラスメイト。とぼけた感じのキャラ。
わりと唐突に二重人格(?)であり、幼いころに死別した妹の藍に体が入れ替わることが語られる。
シナリオ自体はキレイにまとまっていた。藍が居たこと、そして消えたことを通じて茜の成長と茜、藍、義之の絆が深まったのも良かった。ただ、2026年の今から見ると「どこかで見た」ような話であったのはぬぐえなかった。
2人でラブラブな時間が長かったあと、そこからコトが起きてから収束もちょっと早かった気がする。茜が藍の死を乗り越えるためにもうちょっと何かあっても良かったかも。シナリオの読後感は良い。
ただなあ、単純に茜にヒロインの風格が無かった。サブキャラの延長とどうしても捉えてしまった。
65点。
アイシア
アニメのD.C.S.S.で出てきた純真無垢な魔法使い。*4私はD.C.S.S.が許せません。アイシアがまるで邪魔者かのように扱われたからです。ここで救います、とプレイ前からやる気満々だった。
シナリオ全体の感想として、それまで「アイシアが人から覚えられないがゆえに諦めてしまう」って話だったのに、急に義之が消える!って話になったのはやや違和感あった。2人が同じ存在である、ということでちょっとは緩和されていたけど。
だけど、ラストスパートは「桜の樹の真相を音姫より先に、さくらが行動するより前に義之が知ったら」という話で面白かった。そりゃ義之はみんなのために自分も犠牲にしようとするよ。
桜の樹を復活させるという、自分と同じ過ちを犯したさくらとアイシアの対話はめちゃくちゃ緊張感あってよかった。「魔法は使い方を間違ったら危険なんだ。それをあたしに教えてくれたのはさくらじゃない!」←50年越しのカウンター。
さくらさあ、D.C.S.S.でさんざん「魔法の力は危険だ」「魔法の力はない方がいい」なんて言っていたのに、寂しいって理由だけで桜の樹を復活させるとはどういうことだい?っていうのはプレイ中に思っていた。そんなさくらを、同じ過ちを犯したアイシアがキチンと叱ってくれたのはうれしかった。
最後にさくらも消えずにみんな幸せで終われたのはD.C.S.S.でかなえられなかったアイシアの「みんな幸せ」の願いがかなったのでうれしい。
86点。話が急展開気味だったことを差し引いても、良いシナリオだった。あとアイシアはめちゃくちゃかわいい。
小鳥遊まひる
自称元気だけが取り柄の幽霊。学校のみんなが唐突にしゃべりだす七不思議を全部聞くと出会える。
死んでしまったが、未練があってこの世に残っている。願いが叶うと成仏してしまうという、いろんなところで見た展開ではあった。ただ、途中経過はかなり力が入っている。まひるが元気でかわいいのはもちろん、それ以上に2人が恋に落ちてから、悲しい運命を自覚しながらも今ある幸せを大事にしていったのが良かった。D.C.シリーズは話の筋やオチはけっこう「どっかにありそう」なんだけど、途中経過にしっかり力が入っているのが良いところだと思っている。
ただ、成仏しそうになってから消えるまでが長い!時間が長いのは2人の時間が増えて良いなと思える一方で、まだ終わらないのか……?と思ってしまった。そこが足引っ張ったせいで読後感があまり良くない。
75点。
エリカ・ムラサキ
ツンデレお姫様。最初は東ヨーロッパの小国のお姫様と偽っているが*5、本当は宇宙の惑星国家のお姫様。「ムラサキ」で最初の方に感づいてしまっていたので、そこは驚きはなかった。
途中まではツンデレお姫様の従者から恋人へ……みたいな雰囲気が良かったんだけどね。その後のシナリオが酷かった。エリカを連れ戻しに来たエリカの兄および手下に追いかけられたり、学校を舞台に戦争ごっこをやったりする。
戦争ごっこに至るまでの経過や戦争ごっこ自体の内容もかなりめちゃくちゃで、数十人いるプロ相手に6人の学生で何時間も戦えるなどどうみても無理がある。
最終的においかけっこしたのも戦争ごっこしたのも全部茶番で、エリカは母星に戻されたりせず2人で仲良く暮らしましたとさ。めでたしめでたし。いちおう、杉並・板橋や雪月花のみんなと団結して戦うシーンはいい感じだったが、それも茶番だったから台無しなところある。せめてなんで茶番に至ったかの経緯がまともだったらまだよかったんだけど、本国の話でエリカと義之全然関係ないし。
私がツンデレ好きでもないからエリカ自体刺さらないのも苦しかった。
10点。初代の萌先輩のシナリオと同じくらいの評価です……。
終わり
この後のプレイ予定はスプリングセレブレーションをやったあと、D.C.Ⅲ→ディアレストマリッジの流れかなあ。いつまでかかるやら。