CMJ164 『上海事変1937 Shanghai-Nanking Campaign 1937』

1年ぶりくらいにヘックスゲームのソロプレイをした気がする。

今年の4月発売だったらしいのだが、この間ついでに秋葉原の黄色い潜水艦行くまでは知らなかった。

さいきん対人でやる機会がないのもあってあんまり情報を追えていなかったからなあ。

コマンドマガジン164号『上海事変1937 Shanghai-Nanking Campaign 1937』 (commandmagazine.jp)

 

ゲーム概要

12ターン。各軍ごと以下を繰り返していく。

・第1作戦フェーズ

・増援フェーズ

・第2作戦フェーズ

第1,第2作戦フェーズはそれぞれ移動または戦闘のみ行う。組み合わせは自由なので、

第1は移動、第2も移動という組み合わせが可能。日本軍のみ移動フェーズでオーバーランが可能。増援フェーズはその名の通り増援を呼ぶ。日本軍の場合は敵がいるへクスに強襲上陸できる。

注意点としては、各軍ターン初めに各フェーズ何をするか宣言すること。第1フェーズの戦闘が思った以上にうまくいったから第2フェーズは移動、ということはできない。

 

戦闘は1d6でステップロスのみ。例えば"1/2"という表記があったら攻撃側1ステップロス。防御側2ステップロス。後退などない。知っている限りだとデザイナーが同じ両虎相闘や1940年のバルバロッサと同じだった記憶。火力支援あり。日本軍のほうが豊富。

 

勝利条件だが、日本軍が12ターンまでに上海や南京を含むすべての都市へクスを占領すれば日本の勝ち。失敗すれば中国軍の勝ち。また、サドンデスが設けられていて

・5ターン目までに上海中心部(3511)周辺のへクスから中国軍がいなくなったら日本軍の勝ち。

・いつでも上海中心部(3511)を制圧する、もしくは8ターン目以降に上海中心部(3511)周辺のへクスに中国軍が居れば中国軍の勝ち。

セットアップ時上海周辺。白色が日本軍。黒色が中国軍精鋭部隊。青色が中国軍一般部隊。緑色は中国軍守備隊。

全体。南京や杭州を含むので戦場はかなり広い。ただ、どちらの軍も移動力は高め。

日本側の戦略

オーバーランがある=積極的に使わないと勝てないよ。ということだと判断。火力支援も豊富なので、オーバーランで敵を蹂躙することでなるべく戦闘フェーズを減らしつつ延翼したい。

ちなみに裏目に出ます。

中国側の戦略

豊富なユニット数を活かした肉壁作戦になると思われる。中国軍はほとんどが1ステップしかないため。精鋭師団は倒されても1d6後のターンに復活するので、惜しまずに戦闘に使っていきたい。

 

経過を書く前にルールミス懺悔

たった9ページのルールで以下2つやらかした。両方とも中国側有利な間違いだったので、本来はもうちょっと日本軍側が楽なはず。

・湿地や荒れ地について、日本軍が防御側の際も左1シフトする

いや、あれなんですよ。町は中国軍のみ左1シフトするんですよ。あと、湿地は必要移動力が日本軍が2,中国軍が1なんです。その辺がごっちゃになったんですよ。

基本的には日本軍が攻撃側だったのでぶっ壊れたということはないだろうが、もうちょっと日本軍の損害が少なく中国軍の損害が多かったはず。

・スタック制限確認時、中国軍の精鋭師団は1.5師団扱い(4ターン目まで)

1へクスに中国軍は3個師団相当までスタックできる。中国軍精鋭部隊(黒色かつ"XX"のユニット)は1.5師団扱いらしい。いや、師団っていってるのに1.5個師団扱い……?

これはゲーム中に気が付いて、以降は遵守した。とともに、攻撃/防御に参加できる兵力が変わるので中国軍の損害は増えているよね?と判断して中国軍精鋭部隊に3ステップほど損害を与えた。これで補正できているかは不明。

 

1ターン目

中国軍は移動→戦闘

陸戦隊が立てこもる上海2ヘクスのうち、3611は初期配置で2ユニット、合計3戦力しかいない。これは好機とみて一斉攻撃。ダイス運もよく、一撃で3ステップ損害を与え上海の一角を奪取。これで上海3へクス中2へクスが中国軍の手に。

日本軍は移動→移動

陸戦隊しかいないので、やれることがない。ただ、上海中心部(3511)は計8ステップ分戦力がいるのでそうそう落ちないはず。

中国軍は幸先良い滑り出し。※上にあるスタックルール違反の恩恵を受けています。

2ターン目

中国軍は移動→移動

サドンデス条件である上海中心部(3511)を取れれば勝利だが、8ステップロスさせる成算がない。日本軍の増援を警戒するため、移動連続。こちらもやってくる増援を配置。

 

日本軍は戦闘→移動

第1作戦フェーズは増援が来ないので、陸戦隊のみ。中国軍の1戦力の守備隊を吹っ飛ばして終わり。

増援フェーズ。ようやく反撃できる。

第3師団と第11師団が来援。このゲームの上陸作戦は火力支援もあり圧倒的に上陸する側が有利なので簡単に上陸できた。

ただ、第2作戦フェーズが移動は失敗だった。上陸地点周辺に町が多くて、なかなかオーバーランができない。

日本軍は同一師団のみスタック可能。1ユニットごと戦闘力で圧倒しているわけではないので、まとまって行動することになる。

3ターン目

中国軍は移動→移動

このターンから大量の一般部隊がやってくる。1戦力のユニットは日本軍正面に1ユニットづつばら撒くことで遅滞戦闘をすることにした。3ユニットスタックしてしまうと一撃で葬られるが、バラバラにすれば3回戦わせることができる!

へクスゲームの常識を無視したばら撒き戦法

日本軍は戦闘→移動

オーバーランできない町にいる中国軍を戦闘で吹き飛ばした後、オーバーランで弱小部隊たちを蹂躙する作戦にでる。第3,第11の師団を更にそれぞれ2手に分けることで制圧する範囲を広げることにした。かなり制圧できたが、湿地+川沿いの戦闘修正が入る+ダイス目が振るわず想定以上の損害を食らってしまった。

増援は第101師団+重藤支隊など独立の部隊。第101師団は全軍スタックしても8戦力。

○○支隊は師団表記がないのでスタックできない(たぶん。)イマイチ戦力にならない。

並み居る中国軍を排除しながら進んだ第11師団はこの後代償を払うこととなる……。

4ターン目

中国軍は移動→戦闘

突出した第11師団に狙いを定めて、後方に置いていた主力部隊を集めて猛反撃。結果第11師団の3個連隊が消し飛んだ。※先述のルール違反の恩恵アリ。他、到着した増援の整理。かなり中国軍側のダイス目は良い。

日本軍の損害が想像以上に大きい。ただ、3ターン目以降は毎ターン2ステップ回復できるのでそれほど気にしていなかった。のが裏目にでた……。日本軍のスタックは崩さないほうが良さそう。

 

日本軍は戦闘→移動

接敵部隊が多かったので、戦闘でいったん敵を排除してから移動で戦線整理。

増援は第9師団。1ユニットごと戦力4の精鋭師団。堅牢な大場鎮に上陸し無傷。上海との連絡線を確保した。

消耗した1個連隊しかない第11師団は足止めに出された。非情だ。

ばら撒かれた中国軍1戦力は大抵排除され、日本軍も面で戦線を持てるように。

5ターン目

中国軍は移動→戦闘

ここで中国軍のスタック制限に気が付き精鋭師団を3ステップロス。しかし、なおも日本軍の弱い部分を狙って攻撃。第11師団の残もこの時消し飛んだ。

続々くる増援を上海周辺に配置。9ターンを過ぎると既定の増援はいないわけだが、こんなに上海に集めて大丈夫だろうか?

7ターン目に南東から現れる日本軍第10軍に備える部隊も少しずつ配置。

かなり日本軍を押し戻しているように見える。ルール違反があるので本当はもう少し日本軍が有利なはず。

日本軍は戦闘→移動

中国軍が反撃したということは接敵しているということで、戦闘から入る。

中国軍の精鋭師団3ステップをロスさせた。増援の第13師団も上海方面に投入。

付近の敵を排除し、上海に手をかける。

反撃に出てきた中国軍を再度叩く。上海付近に部隊を集める。

6ターン目

中国軍は移動→戦闘

5ターンを過ぎても上海付近で戦い続け、サドンデス敗北回避。ここで以下の決断を迫られる。

・このまま前進防御で8ターン目のサドンデス勝利を狙う

・後退して12ターン目都市保持勝利を狙う

ルールを読み直し、"8ターン目に上海に接するへクスに中国軍がいること"がサドンデス勝利条件と確認。8ターン目終了時ではないので、7ターン目の日本軍の行動が終わった時点での判定と判断した。

日本軍第10軍が上陸するのは7ターン目の増援フェーズで上海の攻防には参加できない。第2フェーズに戦闘を選んだ場合は移動できないし、移動を選んでも都市はオーバーランできないため。

上海へクス*2に加えて上海南西へクスも中国軍が保持しており、7ターン目まで保持が可能と判断してサドンデス狙いにした。

上海周辺をひたすら固める。と同時に突出している日本軍ユニットに反撃を試みるも、大損害を出して失敗。援軍も航空阻止で1ユニットのみ。暗雲立ち込める。

上海付近に集結する中国軍。これでサドンデス勝利できなかったら後方スカスカなわけだが。

日本軍は移動→戦闘

上海攻略をのんびりしすぎていることに気が付く。あと4フェーズで落とさなければ……!

戦闘フェーズで上海2へクスのうち1へクスを猛攻も、4対1の戦闘比でダイス目は2。精鋭が1ユニット残ってしまう。あれ?これって……。

 

精鋭師団がギリギリ日本軍の攻撃を跳ね返す。

 

7ターン目

中国軍は移動→戦闘

上海はこれ以上固めようもない。上海に日本軍が集中した隙をつき、他方面の日本軍を攻撃。スタックできない重藤支隊は飛ばせたが、イマイチな戦果。

日本軍が上海に集中した+部隊が飛ばされすぎた影響か、中国軍が浸透しやすい状況に。

日本軍は戦闘→戦闘

6ターン目の攻撃が失敗した時点で、このターンで

・上海2へクス

・上海南西(3412)の3戦力*3ユニット

を飛ばさないといけなくなった。

戦力を分散して攻撃を実施したが、上海のうち3611は取れたが3612は取れず。

上海南西も1ユニットしか飛ばせず。

中国軍のサドンデス勝利。

終了時上海付近。

 

終了時全体

損耗ユニットのみなさん


総括

日本軍の進出先を誤った。延翼して中国軍が上海に集中することを避けたかったが、結果上海が落ちないのでは意味がない。このゲームは補給の概念もないので、後方を延翼しても日本軍の戦線が伸び手薄になるだけだった。中国軍側は序盤~中盤に余裕が出るほど兵力があるので、上海そのものをまず確保するべきだったのだ。後方襲撃役は第7ターンに登場する第10軍の役目だっただろう。

あと、師団はひとまとまりにして運用すること。火力支援は使える場所が限られる艦砲射撃以外は攻撃時にしか使えない。火力支援があるおかげでオーバーランの攻撃が戦闘比最大で成功するからと師団を分割してしまった。しかし、ダイス目悪く損害が出てしまうと中国軍の反撃に耐えられなかった。中国側も火力支援が使えることを考え、攻撃後の防御まで見据えて攻撃しないとだめだ。

 

中国側は今回なんとかサドンデスが決まっていたが、後方がスカスカになっていた。もしサドンデスが上手くいかず、(ルールを順守できていていればその可能性があった)日本軍第10軍の攻撃を食らったら最終ターンまで南京が保てたかどうか……。前線と後方に援軍を振り分ける比率がわからない。

 

ルールの疑問?というか感想というか

中国軍サドンデス勝利の条件

8ターン以降となっているが、日本軍第10軍がでてきて本格的に日本軍が有利になるのがそのころ。先述の通り7ターン目の第10軍はそこまで動けないことを考えると、8ターン目日本軍終了時以降のほうがバランスがいいのかもしれない。(そこまで行ってしまうとほぼ中国軍のサドンデス勝利は不可能だろうが。)

日本軍「○○支隊」

スタックできないので持たせる役割に困る。

ゲリラ部隊などもいないので後方警備させる意味もないし、前線にでると戦闘力3で1へクス占領してしまう。戦線の穴を埋めることはあるのでそれでいいのかもしれないが......。

2023/11/18追記 日本軍のスタック制限は1個師団+1連隊or守備隊なので配置可能だった。

 

まとめ

久しぶりということもあって腕はだいぶなまっていることを実感。ルールミスもあったし……。ゲーム自体は結構考えることも多くなかなか面白そうなゲームだと思った。

壁はプレイ時間。ルールは簡単でも360分かかるとなるとなかなか人を誘えないよなあ。

今回も7ターン目までしかやっていないのに4時間以上かかったしなあ……。