When Tigers Fight

最初に断っておくと、ルールのみCMJ1号版で、他は英語版。買った時からそうだった。

ちなみに、後述するルールは<本編>のほうを採用……したつもりだったが、お互い<日本語版>になれていたのでそっちを使っていたところもあった。

それと、浸透攻撃*1は移動する最初のヘクスではなくても良いルールでやった。これを適用してしまうと、中国軍はターンごとに1歩ずつ下がってしまえばまったく浸透攻撃を受け付けなくなる。通常攻撃回数が制限されている中それをやってしまうと、どうあがいても日本軍は勝てなくなってしまう。

開始時。プレイ時間は5~6時間程度?複雑さはあまりないが、ユニットが多い。

終了時中国方面。重慶方面を必死に守ったら大渋滞。

ビルマ方面。連合側が優勢のうちに終わったが、最後インド領内への侵入を許す凡ミス。


経過

内容はそんな詳細に記録していない。

東部の中国戦線は日本軍の重慶方面への攻勢が大量の徴募部隊*2によってとん挫。第14空軍基地の全占領もすんでのところで達成できず。後述のマッターホルン作戦の影響が大きい。

西部のビルマ方面は早期にミートキーナが陥落。中国軍が常に完全戦力で動けるようになる。*3他は日本軍1個師団が補給切れ後、連合軍の攻勢を受け壊滅した程度で大きな動きはなかった。

雑感

規模が大きく、やってて楽しいゲームだと改めて感じた。

中国方面では、日本軍のアグレッシブな動きに中国軍は粉々……と思いきや通常攻撃回数制限*4+豊富な増援があるので意外と持ちこたえられる。日本側は史実通り華中・華南の第14空軍基地など狙わず、サドンデス勝利になる重慶成都直撃の五号作戦プランがいちばん手っ取り早い気がするがどうだろう?中国側は何回もやった気がするのに日本側は1回しかやった記憶がない。

ビルマ方面では地形が戦力が拮抗。2~3シフトする防御側有利な地形ばかりなうえ、雨季等でろくに移動もできない地味な戦闘が行われる中、如何にVPを確保するかが大切になる。VPのためには不利な戦闘でも果敢にやる必要がでてくるのが上手いゲームシステムだと感心する。

勝利条件達成状況

日本軍
達成 条件
× ヘクス38XX以東の都市+ハノイ・ハイフォンの支配
× 中国の第14空軍基地をすべて支配
マンダレーの支配

 

連合軍
達成 条件
ミートキーナの支配
ゲーム開始時に日本軍支配下の都市を奪還
× インド領内に日本軍がいない
インド領内の町/都市が2回以下しか攻撃されていない

 

日本版での変更について

CMJ1号のルールブックの最後のほうに、日本語版として以下のルール変更ができるとある。つまるところ、ルール本編は英語版の和訳らしい。2011年に発売された復刻版ではこういった形式ではなく、ルール自体が日本語版で書かれていた記憶。(サークルのものだったので現物がない。)

日本軍側を有利にするための変更と記載があるが、内容をよくよく検証すると必ずしもそうとは言い切れない。

ちなみに、一度やったことないと以下の話はちんぷんかんぷんだと思う。

変更点① 空中補給タイミング

<本編>

 連合軍の空中補給は補給線判定を行うどのタイミングでも可能

<日本語版>

 連合軍戦略移動フェイズ開始時に判定

<影響・雑感>

 後述のデメリットもあり、空中補給をほとんどやらないので影響度合いがわからない。西部方面はジャングルでの戦闘がほとんどで、背後に回れるような機動力を両軍とも持っていないんだよな……。

変更点② 補給線妨害範囲

<本編>

 中国軍徴募部隊以外は、ユニットのいるヘクス+周囲1マスの敵連絡線*5を妨害する。

ただし、隣接へクスに敵部隊がいれば連絡線が通る。

 中国軍徴募部隊ユニットはユニットがいるヘクスのみ妨害する。

<日本語版>

 全ユニットはユニットがいるヘクスのみ敵連絡線を妨害する。

<影響・雑感>

 いちばん大きな変更と感じるのがこれ。日本語版はほとんど敵を補給切れにできなくなる。敵の周囲6へクスをすべて埋める必要があるため。本編なら挟むだけで補給切れにできるので、グッと補給切れにしやすくなる。

 この変更、いちばん影響があるのが中国戦線の日本軍であると思われる。本編ルールならば、浸透攻撃→通常攻撃でほとんどの敵を補給切れにして攻撃できていた。ちなみに、都市であっても補給切れの効果が発揮できる。しかし、変更後ルールだとほとんどフル防御力の中国軍と都市で戦うことになるので、思わぬ損害がでることもある。*6

 日本語版の変更は日本軍が有利になるようになされているようだが、ここだけみると日本軍不利になっていないか……?

変更点③ 空中/空輸補給実施時ペナルティ

<本編>

 前ターンに空中補給が行われなかった場合、東部(中国方面)の日本軍は戦闘時に1シフト不利になる。浸透攻撃を行う場合に、日本軍有利の修正を無視する。ただし、ミートキーナに連合軍のATC基地がある場合、空中補給を行っても上記の修正が適用される。

<日本語版>を

 前ターンに空中補給/空輸が行われた場合、東部(中国方面)の日本軍は戦闘時に1シフト有利になる。

<影響・雑感>

 今回<本編>でやったのにこのルールを適用し忘れていた。中国方面での戦闘なんてほとんど7:1を超える戦闘比*7になっていたので関係ないかもしれないが。

 前述の通り空中補給はほとんど行われないことを考えると、この変更はかなり日本軍有利になっていると思われる。

変更点④ 戦略移動時の接敵制限

<本編>

 戦略移動*8時、敵ユニットに隣接する移動ルートを設定できない

<日本語版>

 戦略移動時、敵ユニットに隣接した移動ルートを設定可能

<影響・雑感>

 これも今回適用し忘れていたような……。この変更もどちらかというと連合軍有利な気がする。やっぱり東部の中国方面に有利で、この変更があると敵が迫ってきたら戦略移動で戦力温存または敵後方への浸透が可能になる。

 1ヘクス対辺距離が60キロもあるゲームで、隣接ヘクスに影響が及ぼせるなんておかしいと言えば確かにそう。

変更点⑤ マッターホルン作戦実施タイミング

<本編>

 8,9.10ターン目にダイスを振り、実施を判定

 8ターン目→1~2

 9ターン目→1~4

 10ターン目→確定で実施

<日本語版>

 必ず10ターン目に実施。

<影響・雑感>

 この作戦が実施されると、目標とされた都市から10ヘクス以内で起こる戦闘において、日本軍の攻撃力が半減する。すさまじいペナルティだ……。

 10ヘクス以内という広範囲が対象となるため、マップ中心部の常徳や益陽を目標にするだけで重慶成都方面から第14空軍基地がある華南の都市まで、中国戦線で主要な戦闘がおこるほぼ全域を対象とできる。すさまじい範囲だ……。

 これが8ターン目とかに起きてしまったら日本軍としてはたまったもんじゃないので、10ターン目固定は正しい変更に見える。が、ワクワクが削がれているのは面白くないね。

*1:いわゆるオーバーラン。スタック単位で行い、移動中に追加移動力を支払って敵ユニットにいるヘクスに攻撃を仕掛ける。都市にいる部隊には不可。ほとんど中国方面の日本軍しか使わない。

*2:徴募部隊:配置時に戦闘力?でおかれる中国軍部隊。独ソ電撃戦ソ連軍などでよくいるやつら。

*3:ミートキーナに連合軍ATC基地がおかれていないと、補給源から6ヘクス以上離れている中国軍は攻撃力が半減する。アメリカ軍部隊とスタックしていれば完全戦力になる。

*4:第2ターンは9回まで。以降は4回まで。いわゆるオーバーランである浸透攻撃は無制限なので、こっちを活用し都市は通常攻撃で落とす、みたいな運用が必要。

*5:通じていないと補給切れとなる。戦闘力、移動力が半減するほか補充も受けられない。中国軍の増援出現都市も連絡線が通じている必要がある

*6:都市は2シフト防御側有利になるのに加えて、両軍受ける損害が2倍になる。(0は1になる。)都市の攻撃回数は嵩んでいくので、日本軍がボロボロになることも。

*7:0/Eの結果となり、攻撃側は無傷(都市なら1損害)で防御側全滅

*8:3ユニットまで、戦線の範囲内で自軍の町/都市の間を自由に移動できる。その後通常移動も可能。現実ではありえない機動力が両軍とも発揮される。